唯美主義者の独り言

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zoom RSS かくれんぼ。そのさん

<<   作成日時 : 2009/12/14 00:33   >>

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少しセンチメンタルな童話の第3話です。
よろしければお付き合いください。





これまでのお話はこちら…
かくれんぼ。そのいち
かくれんぼ。そのに






画像




「さくらこ!早くしろ。
 遅刻するぞ。」

「まって、お兄ちゃん。
 ‘きら’おはよ!
 あたし学校いってくるね。
 ごはん食べてね。
 部屋からでちゃダメよ。」



キトルが生まれ育った森から
‘さくらこ’の家に連れてこられたのは
昨日のことでした。



ぐっすり眠っていたキトルは
‘さくらこ’のあわただしい様子に
すっかり目が覚めたようです。

見まわすとすぐそばに
‘さくらこ’の用意した
焼きたてのパンと
湯気を立てているミルクがあります。
近づいてみましたがキトルには
食べるものということがわかりません。



『おなかすいた…。』



キトルはなにやら決意をしたようです。

キトルが寝かされていた机の上から
カーテンに飛び移ると
床まですべるように降りました。



画像




‘さくらこ’が出て行ったドアまで走りよると
力いっぱい押してみました。
びくともしません。

すると突然そとからドアが
押し開けられました。



画像




キトルははずみで後ろへ
はじき飛ばされてしまいました。



「あらまあ。
 こんなに散らかして。」

入ってきたのは母親です。

机の上のパンとミルクを持って
部屋から出ていこうとする
母親のスカートに
キトルは必死で飛びつきます。





母親が台所で食器を
洗っている間に
キトルは流し台の縁へ
器用に降り立ちました。

水道の水が飛んだのか
小さな水滴がついています。
キトルはぺろりとひとくち
なめてみました。



画像




『まずーい…。』



顔をゆがめると
ぺっと吐き出してしまいます。



『おなかすいた…。』





ピンポーン…

誰か来たようです。
キトルは慌てて
玄関へ向かう母親の腕に
飛び移りました。



画像




「こんにちは。
 わたし隣に引っ越してきた
 ‘ようこ’といいます。」

「あら、こんにちは。
 おひとり?
 お父さんとお母さんは?」

「仕事が早いので
 これを持っていくように
 いわれました。」

そういうと‘ようこ’と名乗った少女は
菓子折りを差し出しました。

母親の腕によじ登り
少女の顔を見たキトルは
びっくりしてしまいました。



年は‘さくらこ’と同じくらいでしょうか。
しっかりした言葉使いで
体が弱くて学校を休んでいることや
両親が留守がちなことなどを告げました。

母親はいたく同情して
夕方には‘さくらこ’も
学校から帰ってくるので
是非あそびにいらっしゃいと応えます。



画像




キトルは母親が差し出した腕を伝い
菓子折りの上をかけ‘ようこ’に
飛び移りました。





‘ようこ’は‘さくらこ’の家を出ると
垣根に囲まれた隣の家の木戸をあけ
敷地の中へ入りました。



先ほどまでの年相応の表情は
消えています。



‘ようこ’は静かに口を開きました。

『おきてをわすれたか?
 キトル。』

それは人間の言葉ではありませんでした。



つづく。







感想などあればこちらからどうぞ。
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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
o(゚∀゚)oオッヽ(゚∀゚)ノハー!

好奇心旺盛なキトルの冒険ぶりが
とても興味深いです
また、空腹もキトルの行動力に
火をつけてるようですね。

最後の『おきてをわすれたか?キトル。』の何者かの言葉には、
何か重大な秘密がありそうで┣¨キ(*゚Д゚*)┣¨キです!
続きに注目してますよw
おいち
2009/12/14 08:45
>おいち様
こんにちは〜♪♪

子供はよく動くので食欲も旺盛です。’水がまずい’というのはこの童話のポイントになっています。

’ようこ’のセリフですね(笑)出来れば年内に続きを掲載したいと思っています。色々な謎が解けるかも…です。
にゃんこの子
2009/12/14 10:57
かくれんぼうが下手でつまんないってお友達に言われてしょげかえっている前回のキトルちゃんが 知らない都会に出てきてどうなるか心配だったけど ようこさんが助け(監視)に来てくれてよかったぁ。
でも一度人間の世界に触れちゃったら 森のお友達と遊ぶことが出来なくなっちゃうの?
次回の展開がたのしみです。

学生時代長野県から初めて東京で寮生活を始めた時 水のまずさに驚きました。
丸み
2009/12/14 15:41
>丸み様
こんばんは〜☆

次回ではある程度の謎が解けると思います。第3話は前記事の通り話しが膨らみすぎて全部載せきれませんでした(笑)今週末くらいに続きを掲載できればと思っています。

仕事の関係で東京に住んでいたことがあるのですが”カルキ”というものを知らなかった!ので湯沸しポットから白いものが出てきた時はびっくりしました。生水はとても飲む気になれませんでした。髪もパサパサになってしまいました。
子供の頃に比べれば水道の水は美味しくはないと思うのですが普通に飲める環境はありがたいです。
にゃんこの子
2009/12/14 19:27
こんばんは。
ドキドキしてしまいます!(笑)
一つ一つの場面を想像しながら、勝手に風景を考えたりしてしまいました。
「水」のまずさは寂しいものですね!
実家は水がおいしいところなので、都会に出てきたときはがっかりしたことを覚えています。
sakura-sunsun
2009/12/14 21:58
>sakura-sunsun様
こんばんは〜☆

どきどきしてますか?キトルはちょっと危なっかしいですから(笑)
細かい描写は入れていませんので色々想像してもらえると嬉しいです♪
人間も水がないと生きていけません。出来れば美味しい水が飲みたいですね。こちらですらポリ容器で買っていく人がいます。(私は買ったことがないのですが)
にゃんこの子
2009/12/14 22:47
 人と妖精の関係が気になりますね。
 少女は何を見届けにきたのでしょうか。
 人と交わった妖精がどうなるのか。
 続きが気になりますね。

2009/12/14 23:04
>仍様
おはようございます〜♪

近いうちに続きを掲載する予定です。物語としてはそれほど奇想天外な方向へは行かないセンチメンタルなお話しです。また読んでいただければ嬉しいです。コメントありがとうございました♪
にゃんこの子
2009/12/15 06:43
こんばんは〜。
森から飛び出したキルト(連れ出されたのか・・)。
これからどんな運命が待っているのかな?
それとも森へ連れ戻されるのか??
先が楽しみですね。ワクワクします(*^^)v

物語もおもしろいですが、私はミルクの入ったカップに目が行ってしまいました。
バステルカラーのとってもかわいいカップ❤
すっごく好きです。
katton!!
2009/12/15 18:07
>katton!!様
こんばんは〜☆

ここだけの話しですが○○ます。心の準備を…(笑)
他の童話と違ってかなりセンチメンタルなお話です。
できれば最後までお付き合いください。

女の子が好きそうなカップにしてみました。そういえばkatton!!さんの作品も渋め〜のものから可愛い〜ものまでありますね♪そろそろ…どうでしょうか。
にゃんこの子
2009/12/15 19:41
こんばんわです♪

キトルちゃん次はどうなるのでしょうか?
元に戻れるのかな?
純粋さがかわいいですね〜♪
いつもながらにゃんこの子さんの
やさしい絵のタッチがいいですね☆

それにしても
ようこ!!
怪しい、、、キーパーソンような感じがします♪(^^)

また見に行きます♪
mako-mako-
2009/12/16 22:55
>mako-mako-様
おはようございます〜♪

とりあえず続きを年内中(出来れば全日本の前!)に
掲載する予定です。
どうか最後までお付き合いください。

「ようこ」にどんな漢字を当てるのか…
人によって捉え方が違うようです(笑)

コメントありがとうございました♪
にゃんこの子
2009/12/17 07:23

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