唯美主義者の独り言

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zoom RSS かくれんぼ。そのはち

<<   作成日時 : 2010/03/07 02:45   >>

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桜子は目を真っ赤にしながら
大きくうなずきました。





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これまでのお話はこちら…
かくれんぼ。そのいち
かくれんぼ。そのに
かくれんぼ。そのさん
かくれんぼ。そのよん
かくれんぼ。そのご
かくれんぼ。そのろく
かくれんぼ。そのなな








桜子が落ち着いた頃合いを見計らって
母の様子を見るために
千秋は階下へ降りていきました。



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すでに帰宅した父の声が聞こえます。

「そんな心配はしなくていいだろう。
 千秋が大丈夫だと言ったんだ。
 信じてあげなさい。」

「そんな事いったって…
 あなたには見えるの?」

「私にももう見えないがね。
 子供の頃は見えていたんじゃないかな。」

「私はそんなもの見たことありません。」

「そうか?
 ま、忘れてしまったかもしれないが…。」



父が母をなだめた様子に
千秋もほっと息をついて
静かに二階へ戻りました。







キトルに変化が出たのは
翌日の明け方でした。
桜子は一晩中キトルを見守りたかったのですが
さすがに一睡もせずという訳には
いかなかったようです。



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キトルからほのかな光の筋が出始めて
少しずつ糸のようなものが
小さな身体を覆い始めるのを見つめながら
桜子は寝息を立てて
机の上で眠ってしまいました。

もちろん学校は休みではありませんでしたが
大変な一夜を過ごした桜子も千秋も
とても登校できる状態ではありませんでした。

父に今日だけだぞと念を押され二人は揃って
大きくうなずきました。
もっとも桜子は
ほとんど目が開いていませんでしたが。





キトルはお昼を回った頃には
すっかり虹色に輝く繭になっていました。



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日の暮れる前にと
千秋は母に適当な作り話をして
安心させ桜の木の下に
スコップで穴を掘りました。

繭になったキトルを穴の中に入れる時に
やっぱり桜子は泣いてしまいましたが
千秋に促されてそっと繭を置きました。

土をかけながら千秋は陽子から聞いた話を
もう一度繰り返して聞かせました。



「そっか。
 本当はキトルっていうんだね。」







その夜、暖かいこの町に珍しく雪が降りました。



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つづく。







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